2006年04月16日

トム・ヤム・クン

 あの“マッハ!”のトニー・ジャーが帰ってきました。

前回のマッハでは奪われた仏像を取り戻すために戦いましたが(笑)、

今度は奪われた象さんを取り戻すために戦います(苦笑)。

さらにこの映画の不自然な題名も、悪の巣窟として戦いの舞台となる料理店の名前が“トム・ヤム・クン”だったという安易な名付け方なのです(おいおい)。

マッハや“七人のマッハ”ではタイ国内で撮影され映像やセットなどもかなり安っぽく見えて、かなり低予算で制作されたことがすぐにでも分かる作品だったのですが、今回は海外資本が大きく入ったためにセットや映像も美しくなり、タイ国内だけでなくオーストラリアでのロケも敢行しています。


 やっぱりトニーさんの飛び膝蹴りや脳天めがけてヒジうちなど、ムエタイによる迫力ある打撃映像が前回に引き続き大事なポイントなのですが、今回はなぜか本来のムエタイにはない立ち技での関節技で戦うシーンが増えているのです。それを目新しい技として映画の中では大きく扱われ、骨を折る音にはインパクトがあるのですが、その技自体はトニーのアクションを地味に見せてしまう効果を出してしまっているのです。

なので、最近の格闘技界では打撃による立ち技だけのK−1より、オールラウンドで戦うプライドのような関節技がないと生々しく見えないので、目の肥えた観客にアピールするために、ああいったアクション展開になったのかな?と、aliasは勝手に思っていたのです。

でも資料を見てみると、“ムエパノム”という聞いたことすらない格闘技で戦っていたのです。

で、検索してみると、ムエ=キックボクシング、タイ=国名なので、ムエタイの日本語訳はタイのキックボクシングという意味になるのと、トニー・ジャーさんの本名がパノム・イラームさんなので、パノムさんのキックボクシングという意味になるようです。

ブルース・リーさんがジークンドーという総合格闘技を創始したように、この映画でトニー・ジャーさんが創始者となるムエ・パノムを世界へとアピールし始めたのでしょうか?


 この映画では監督の新たなる試みとして、実験的なカットなどが多数見受けられました。その中で一番興味を引いたのが、トニーが敵の本拠地に乗り込み塔の中で螺旋階段を登りながら数十人の敵と戦うシーンがあるのですが、それを最近では珍しいワンカメラで5分近くの連続撮影しているのです。昔の日本の時代劇などではそういった殺陣がたくさんありましたが、今のCG全盛期の映画界の中ではけっこう斬新でした(CG、ワイヤー、早回し一切なしと宣伝してるだけあって、生にこだわってる結果なのかも?)。


 そういえば、トニージャーさんが来日して、大阪ドームのオリックス×ロッテ戦で始球式をしてたそうですが、同日のヤクルト×巨人戦で、あのボクシングの亀田興毅さんが始球式をしていたので、このことを放送しているスポーツニュースはほとんどなかったのです。

さらに、チェジュウさんの“連理の枝”のジャパンプレミアム、“ダビンチ・コード”の来日記者会見で、この映画のために来日したトニー・ジャーさんの報道しているマスコミはほとんどなかったのです。

面白い映画なのに、こんな宣伝展開でヒットしてくれるのかな?

でも、ヒットして欲しい!
(希望)



トム・ヤム・クン! プレミアム・エディション
トム・ヤム・クン! プレミアム・エディション

2006年04月13日

フライ,ダディ,フライ

 この映画は岡田准一くんと堤真一さんで綴られる、おっさんの青春物語なのです。

物語は、絵に描いたような家庭生活を送っている堤真一さんの家族を、一人の高校生による暴力ですべてを壊されてしまうのです。娘の復讐を誓った彼は包丁を持ち彼の学校に向かうが、間違えて隣の高校に入ってしまうのです。そこで出合った高校生たちが凶器などではなく、正々堂々と戦える対決の場を用意してくれると言うのです。しかし、倒すべき相手は高校総体で二連覇中のボクサーだということを知り、戦う術を知らない彼は岡田准一君が演じる高校生のスンシンからケンカの技術を教えてもらうのです。そんなやさしい高校生達に手助けしてもらい、彼を倒すためにトレーナーと共に夏休みを利用して40日にも及ぶトレーニングを始める。そして…。


 どん底から這い上がり、家族のために勝てるはずのない相手と戦う!
って、まさに懐かしき映画シルベスター・ストローンさんの“ロッキー”を思い出しました。

プロットとしては軽いノリで進むような展開と重苦しい設定を比較しながら画こうとしているのですが、どちらも中途半端になったことと、2時間を越える映画だったこともあり、少し中だるみを感じるかも?

それに一番気になることが、須藤元気さんがボクシング選手として出演する配役の事なのです。立ち技しか出来ないボクシング選手はタックルされて倒れると戦えなくなるという設定なのですが、格闘技好きのaliasとしては、彼ならそこから簡単に関節技にもっていけそうに見えたので、ちょっとリアリティーがなかったのです。


 そして、この物語は窪塚洋介さんが主演した映画“GO”の金城一紀さんの原作なのですが、あの映画の中で画かれていた人の固定観念を覆すようなセリフやかっこよさもないのです。ただ汗水たらして必死に戦うおっさんの青春物語なのですが、日々の生活に疲れちょっと元気になりたい人にはお薦めできるような映画です。


 それにしても、岡田准一君はかっこよかったな〜(でも見ていて恥ずかしい一面もあるのです…)。

彼はこの映画のために10kgほどの肉体改造をしたそうです(ヨン様みたいな過度に鍛えた肉体にはなっていませんのでご安心を)。なので、東京タワーの時とは全然違う人間のような印象を受けるほど、男っぽくなっていました。本来、堤真一さんが主人公と言ってもおかしくない映画なのに、岡田准一君が主人公として扱われるほど彼の美しさがクローズアップされた映画なのでした。



フライ,ダディ,フライ
フライ,ダディ,フライ

2006年04月09日

親切なクムジャさん

親切なクムジャさんは女子刑務所にいるのですが、みんなにとても慕われているのです。

親切なクムジャさんは、刑務所内で痴呆になった老人の世話も進んでするのです。

親切なクムジャさんは、刑務所でいじめられている人もちゃんと助けてあげるのです。

でも、親切なクムジャさんは、ただ一人の男に復讐するために、羊の仮面をかぶった人なのです。


 “復讐者に憐れみを”、“オールド・ボーイ”のパク・チャヌク監督による復讐三部作の最終作です。

といっても、復讐をテーマにした映画を3本作っただけなんですけどね…。


 子供を誘拐したという罪を被せられ、無実の罪で13年間の月日を刑務所の中で過ごしたクムジャさんが釈放されてくるシーンから物語は始まります。

冒頭からクムジャさんの過去が少しずつ解き明かされていき、そして物語の中で断片的なキーワードとして残されてきたものが、本当の誘拐犯を捕まえた時に一気に点と線がつながります。


 そして、そこからがこの映画の本題なのです。

積年の恨みを晴らすためにどんな復讐の仕方をするべきか?というところが、人間としてのプライドや葛藤など、悲しみとか、憎しみとか、つらさとか、人が迷ってしまっている心理描写を、普通の映画のセオリーを無視して画くことで、とんでもない作品に仕上げてしまいました。

オールド・ボーイほど衝撃的でもなく、神がかり的演出でもないのですが、人に訴えかけるようなものがひしひしと伝わってくるのです。そしてaliasはオールド・ボーイと同じくらい二度は観たくない作品なのです(これらの作品が悪いという意味でなく、人の心の闇を画きすぎた作品なのです)。


 ちょっと濃すぎるよ!というのが、率直な感想です。



親切なクムジャさん プレミアム・エディション
親切なクムジャさん プレミアム・エディション


2006年04月06日

南極物語(2006)

 ディズニー版の映画公開に合わせフジテレビ系列で放送された1983年の南極物語を観てたら、製作総指揮にライブドアとの騒動で有名になった、フジテレビの日枝久会長の名前が…。
そんな驚きのオープニングから始まった映画でした(おいおい)。

有名な作品ですが、aliasはこの映画を観るのは初めてだったのです。


 なので、ジブリの“もののけ姫”が登場するまで、興行収入の記録を持っていたほど人気だった当時を知っている友人に、話を聞いてみました。

最初から厳しい南極で生き残った二匹の犬の物語である事は分かっているのに、CMでタロとジロが走ってくるシーンに合わせ“ヴァンゲリス”さんのあの美しい名曲が流れているのを繰り返し見ていると、だんだんクラスの中でも話題になり始め映画に行きたくなったそうです。
まだその頃は今のような座席指定はなく、立ち見でいっぱいになった映画館の中で見たそうです。
ずいぶん前に観た映画なのでストーリーまでは覚えていなかったそうですが、生命の危機に瀕している犬達が危険を回避するごとにアレンジを変えたバージョンであの名曲が流れだし、そのたびに何度も目に涙を溜めてしまい、物語の結末のタロとジロが隊員達と再会するシーンでCMで流れていたのと同じ曲が流れだした時には涙が止まらなくなってしまい、いまだにこの曲を聴くたびに涙あふれそうになるそうです。


 と、聞いていたのですが、初めて見たaliasは、ずいぶん地味に展開される映画だな〜って印象でした。当時はまだ南極が未開の地だったから、ドキュメント形式で厳しい気候や観測所の隊員達の生活などを紹介するように画いていたせいかもしれないのですね。このドキュメント的な物語の展開は面白かったのですが、この地味で二時間半近くもある物語を、当時の子供達が熱中して観ていたことに驚きました(昔の子供達は辛抱強かったのかな?)



 で、このディズニーでリメイクされたこの作品には、なぜか?タロとジロは出てこないのです。
なぜなら、この映画の出演者には日本人が一人もいないから、犬の名前がアジア系の名前じゃ不自然ですからね。でも、今回オリジナル版に関わっていた人が製作総指揮の一人に名を連ねていたので、犬を育てたブリーダーが日本人だったという設定にすることも出来たのかもしれませんが、あのディズニーはたぶん許さなかったと思われます(おいおい)。

さらに、ディズニー側は残された犬達が全員生き残るプロットにしたかったようなのですが、それでは南極物語ではなくなってしまう!というフジテレビ側の意見で、ライブドアの時と同じように拒否をされたそうです(おいおい)


 物語は、昭和の時代ではなく現在として画かれる。主人公は南極でガイドをなりわいとしている男。冬が近づき雪で閉ざされる前に訪れてきた学者と一緒に、犬ぞりで隕石を探しにいく。そこでいきなりの天候不順のために非難することになったが、定員いっぱいだった飛行機には犬を乗せることが出来ず、そのまま飛びだってしまう。冬が到来してしまい南極には戻れなくなってしまい、そして…


 感動ものや泣ける物語というイメージがありますが、冒険映画としても十分成立する映画です。
この物語には、8匹のシベリアンハスキーが出てくるのですが(オリジナルは15匹の樺太犬です)、同じ犬種だけになってしまっているし、ディズニーお得意の動物がしゃべるシーンも無いので、冒頭では犬たちを一塊の集団として認識してしまうのです。しかし物語が進むにつれて犬たちの心理描写画かれ、8匹すべてのキャラクターが明確化していくところがすごいのです。
オリジナル版では残してきた犬たちを心配する男達の心理描写で映画を作っていましたが、こちらは極寒の地で助け合う犬の演技をメインにして物語は進んでいくのです。

この物語の演出方法なら、ディズニー側の全部の犬を生き残らせたかったという主張が十分理解できました。でも、それではありきたりな物語になってしまう可能性も出てきますし、現実の厳しさを子供達に教えるという意味では、フジテレビ側が主張したこの展開の方が良かったのかもしれません。



南極物語
南極物語




 とりあえず、友人の意見は

「ヴァンゲリスさんのあの名曲が流れないのなら、南極物語じゃない!」

だそうです。



南極物語
南極物語


2006年04月02日

ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

 “ロード・オブ・ザリング 王の帰還”がもっていたロシアの観客動員数記録を、2004年に塗り替えたほど人気のある映画だそうです(何で2年も公開せずにお蔵入りさせていたんだろう?)。

ロシア版マトリックスという紹介のされ方をしているのですが、呪術や魔女、バンパイアなどのモンスターが複数でてくるのでダークファンタジーの要素が強いようです。この映画の宣伝イメージをみて、普通の女性と一緒に見に行こうと思った人は、“キル・ビル”や“シン・シティー”で失敗したのと同じ事を繰り返す可能性があります(グロやホラーの傾向にある映画なのです)。

で、この映画は3部作構成になっていて(マトリックス以降、まとめ撮りする映画が増えてきましたね)、2作目となる“デイ・ウォッチ”はすでに本国では公開されていて記録的なヒットになりそうです。そして、3作目となる“トゥワイライト・ウオッチ”(もしかしたら、ダスク・ウォッチになるという噂も…)はハリウッドで制作予定だそうです。



 物語は、世界はかつてランドックの地で光と闇の戦士が戦っていた。ある日この二大勢力による決戦が始まったが、両者の力は拮抗していて決着が付かずこのままでは共倒れになることを恐れ、二つの勢力は休戦条約を結ぶ。そして闇の行動を監視するものをデイ・ウォッチ、光の行動を監視するものにナイト・ウォッチを付け、互いを監視し合い両者の平和は保たれていた。しかし、いつの日か新たなる種が現われ闇の側につき、世界は闇に包まれるとの予言が残されていた。そして月日は流れ2004年、ある事件をきっかけに光の側についた青年が、闇の生き物が一人の少年を付けねらっていることを知る。そして…。


 全体的に荒削りさを感じさせ、少し間違えばB級映になりかねない雰囲気の映画なのですが、映像感覚やアクションに勢いを感じさせました。

詰め込むように複数の話が展開するストーリには圧倒されるものがありましたが、映像の方に監督が気を取られ過ぎたためか?説明不足な点がたくさんあり、あとから資料を読んで理解したところもありました。そんなわかりにくい点が多数あったので、よけいにロシアの若者同士がこの映画のことを語り合って口コミで人気が出たのかもしれませんね。


 映画自体はそこそこ面白かったのですが、ロシア版マトリックスって…?

似ているところなんて、主人公がサングラスをしたまま戦うところぐらいじゃん!(おいおい)



ナイト・ウォッチ NOCHNOI DOZOR 特別編
ナイト・ウォッチ NOCHNOI DOZOR 特別編

2006年03月30日

ブロークバック・マウンテン

 前評判でボーイズラブな映画だと聞いていたので、どんな風に画かれるのだろう?と思っていたのですが、期待していたほどは激しいえっちなシーンはなかったのです(おいおい)。


 物語は1960年代、アメリカのブロークバックマウンテンで、安い賃金で雇われる季節労働者としてカウボーイをするイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)が出会ったことからすべては始まります。山奥でたった二人で働く彼らに与えられた仕事は羊の群れを守ることと、食事を作ることだけ。最初はほとんど話をしなかった二人も、やがて毎日同じ事を繰り返す単調な日々のことや雇い主に対する不満、将来に対しての不安が押し寄せてくることになどを話しているうちに、だんだん打ち解けあうのです。そして冬の寒気の訪れとともにテントに片寄せあった時、二人は求め合うように愛し合ってしまうのです。二人は男同士と言う罪悪感にさいなまれ二度と同じ過ちを繰り返さないことを口では約束するのですが、それからも二人の蜜月の日々は続いていくのです。そして山を降りなければならない時期になり二人は別々の人生を歩むことになるのですが、この山で起こったことは夢の世界の出来事と思うことにして、それぞれの普通の生活に戻っていくのです。

やがて月日は流れ結婚し子供を育てる父親にもなるのですが、なにか物足りないような人生を送るのです。そして久しぶりに再会をした二人はあの時を思い出したかのように、人生の中で足りなかったものを見つけ出したかのように、世間の目から隠れながら激しく相手を求め合うのですが、その現場を妻に見られてしまうのです。そのことを知らない二人はその後何度も会う約束をするのですが、その光景を見るたびに妻は人にも相談することもできず、夫を問い詰めることもできず、心の中にやりきれないものを押し込めるのです。そして…。


 この映画では二十年にもわたる恋の物語を画いているのですが、正直なところ主人公の彼らの演技では役不足という感じがあるのです。出合った頃のブロークマウンテンで過ごす若かりしの時代の演技はうまく画けているのですが、物語の後半になり彼らの子供は成長していくのに、40代になった二人は20代の面影を残したまま成長していないような不自然な演技しかしていないのです(監督が意図した結果かもしれませんけどね)。

それに対して女優の二人がすばらしいのです。彼らの秘めたる情事を見つけてしまい思い悩む“ミシェル・ウィリアムズ”さんの驚きの表情や思い悩む演技には助演女優賞をあげたいくらいです。そして“プリティ・プリンセス”の“アン・ハサウェイ”さんがヌードになっていたことも評価すべき点です(おいおい)。


 そしてこの映画を見ていて受け入れがたかったところが、二人が恋に落ちた理由なのです。
例えば崖を上っている所でいきなりロープが切れてしまい転落しそうになったところを「ファイト!いっぱ〜つ!!」と言って助けられた瞬間、彼らは恋に落ちてしまった!というような衝撃的事実もなく、まるでリビドーに押し流されてしまい性処理をするように愛し合うことから、二人の恋の物語が始まってしまうのです。

そんな不純な動機で始まった恋は、楽しかった学生時代へのノスタルジーのようにブロークマウンテンでの出来事への郷愁で、20年にもわたる秘められた思いを貫くのです。。年に数度しかあえない二人はまるで長距離恋愛のように、会えた日に今まで溜め込んだものを爆発させ愛し合うのですが、不純に始まった恋は時を経てやがて精神的に結びついた純愛になるのです。よく恋愛に対する障害が多ければ多いほど愛が深まるといわれますが、それを見事に表現しています。

この映画のゲイになってしまったシーンには理解しがたいものがあったのですが、その後の二人で画かれる、男の女々しさや逃避行の恋、愛というものに心を動かされる人に男女区別は無いことを、見事に表現した映画だったと思います。



ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション
ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション

2006年03月26日

SPIRIT

 泣けるアクション映画と聞いていたのですが、どこで泣けば良かったんだろう?(おいおい)

題材は、中国が国際的に弱っていた20世紀前半に行われた史上初の異種格闘技大会で、国民が劣等感を抱いていた欧米諸国の格闘家たちをなぎ倒していった中国の武術家である霍元甲(フォ・ユァンジア)さんを再現した物語です(日本でいうと力道山さんみたいな感じです)。
中国本土ではこの人物を何度も映像作品にしてきたらしいのですが、今回は新しい解釈で作られているので、年齢などの設定や人物像、対戦相手などは実際とは少し違うそうです。


 物語は、1910年に上海で行われた異種格闘技戦での戦いのシーンから始まります。流れる水を受け流すがごとく、何かを悟ったかのように戦う霍元甲は、映画の冒頭の10分ぐらいで決勝の舞台へと進みます。そこから話は彼の子供時代へと戻り、彼の今までの人生を振り返るのです。
昔から向かうところ敵無しだった彼は自分の強さにおぼれ、勢いまかせに目の敵にしていた武道家を殺してしまい、それに対する報復として武道家の弟子に彼の家族を殺されてしまうのです。やがて彼は憎しみが憎しみを生むことに気付き、そして…。


 印象としては、ジェット・リーさんが前髪を剃りあげ後ろ髪を伸ばした弁髪にしていたこともあるのですが、話の展開のシンプルさなども含め、初期を思い出すような作品になっていました。

彼のファンだった友人の話を聞いてみると、この映画は彼の半生を思い出させる作品だったようで、デビュー当時に少林寺や阿羅漢などの作品で全世界的に有名になったので、天狗になってしまい好き放題していた彼は海外では中途半端な映画にばかり出演して、何度もファンを幻滅させいつのまにか忘れ去られる過去の人になってしまったのですが、原点に立ち戻ったこの映画に挑んだことが、物語の主人公とリンクされて泣けてきたそうです。

そして体を慢性的に痛めているジェット・リーさんの最後のアクション映画と言われていることが、さらに涙を誘ったようです。なのでオールドファンには、特にお勧めな映画だそうです。


 で、aliasの注目ポイントは海外映画で初進出をした中村獅童さんが演じる役どころなのです。田中安野という、どちらが名字なのかわからない名前なのですが(おいおい)、日本から招かれた格闘家として主人公と決勝の舞台で戦うのです。この映画の中では日本人は姑息だ!という扱いをされているのですが、彼だけはサムライ魂をもった誇り高き男として扱われているのです。

中村獅童さんは武術家を演じるためにトレーニングなどを精力的にしていたそうですが、ジェット・リーさんと戦うシーンではアクションシーンには不慣れなためか、どうしても見劣りしてしまう部分があるのです。でも、この差を埋めるために、ある仕掛けがこの映画の中には施されているのです。

たぶんジェット・リーさんの高いアクション技術を中村獅童さんのレベルに合わすために、仕組まれた演出だったのかな?(って、この映画に感動した友人に言ったら、怒られちゃいました)



SPIRIT<スピリット>
SPIRIT<スピリット>

2006年03月23日

サマータイムマシン・ブルース

 相変わらず上野樹里さんの出演する映画にハズレはないのです!

って言っても、彼女の作品を全部見た訳じゃないんですけどね〜。

aliasが見ている限りはハイレベルな作品が多いのです。


 あの“踊る大走査線”のドラマや映画を含めたシリーズの監督をした本広克行さんが、今回は京都の劇団“ヨーロッパ企画”さんの舞台を映画化しました。たしかに派手な映画も作る監督なのですが、前にも“スペーストラベラーズ”などの舞台作品を映画化したこと前歴がある監督さんなのです。

で、今回原作・脚本はヨーロッパ企画の上田誠さんというあやしい団体名の人が書いたのですが(おいおい)、脚本は舞台とほとんど変わらないものだそうですが、この脚本がすばらしい!のです。


 物語は夏休みの大学生達の日常を画いているのですが、クーラーのリモコンが壊れたとか、シャンプーがなくなったとか、どうでもいいような話が4コマ漫画のように短いネタをいくつもちりばめながら、最初のうちはうだうだとコント仕掛けで進むのですが、

そこにいきなりタイムマシーンという機械が登場したとたん物語は新たな方向にすすみ、そしてちりばめられた物語は一気につながり、最後にはすべてが伏線であったことに観客は気付くのです。

物語は実写なのになぜかドラえもんの映画のようにアニメチックな展開で、いつもは戦わないのび太君が何かに立ち向かうような感動的なシーンや、そして少し切なくなるような愛の要素も含まれているのです。監督自身がうる星やつらの映画“うる星やつらビューティフル・ドリーマー”のエッセンスを引用したと言ってるぐらいアニメ的な撮影方法を映画に取り込んだことが、舞台作品だった脚本と見事にうまく融合しているのです。


 2005年に公開された時にこの映画を見逃していたことも残念だったのですが、夏のうだるような暑さの中で見てみたかったな〜とちょっと後悔してしまいました。



サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格)
サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格)

2006年03月19日

THE MYTH/神話

 また、でました!

“HERO”“LOVERS”に次いでスーパー・アクション超大作ここに誕生。

だそうです。

“セブンソード”の時も同じようなことを言ってたような気が…?
それだけチャン・イーモウ監督の作品が、ハリウッドだけでなく中国映画のイメージを大きく変えるほど影響を与えた映画だったことの証拠なのかもしれません。

最近、そういった武侠映画も多いのですが、ロード・オブ・ザ・リング以降に増えた、CGで画かれた無数の人達がアリのように画面いっぱいに出てくる映画には、ちょっと食傷気味になってきました。でも、ジャッキー先生の映画ならと観ないとね!


 この作品でジャッキー・チェンさんは紀元がまだ始まっていない2200年程前の時代に中国全土を統一した、秦の始皇帝を守る側近の部下であったモンイー将軍と、その時代について研究している現代の考古学者ジャックの二人を演じ分けています。そしてこの物語は秦の始皇帝を巡る謎を解き明かす作品なのです。

最初は武侠映画かと思っていたら、いつのまにか“レイダース/失われたアーク <聖櫃>”のインディー・ジョーンズシリーズや“ハムナプトラ”のような考古学を探求するような物語になり、最後はなぜかファンタジーな世界観になるという不思議な映画でした。


 でも、今回監督は少し欲張りすぎたのか、懐かしいジャッキーの初期作品を思わせるようなアクションから、剣を使ってのアクション、そしてワイヤーやCGを多用したアクションシーンなど、多くの見せ場を作りすぎたために少し焦点がずれてしまっていたような印象を受けましたが、物語が終わる頃には、なぜか涙あふれるエンディングへとつながっていきました。

が、そのままファンタジーで終わらしてくれたら、この感動を胸に抱えたまま家まで持ち帰れたのですが、エンドロールでいつものNGシーンなど、失敗したアクション場面やワイヤーを着けたメイキングシーンを一緒に流すから、一気に現実の世界に引き戻されしまい興ざめしてしまいました。


それさえ無ければけっこういい映画だったんだけどな〜。



THE MYTH 神話
THE MYTH 神話


2006年03月16日

エミリー・ローズ

 この物語は事実を元に作られた話です。と前置きされるのですが、最近、この手の映画が多いですね〜。ハリウッドで脚本が枯渇している噂は本当なのかもしれません(原作はドイツだそうです)。


 物語は、牧師による悪魔払いを受けた後に亡くなってしまった19歳の少女の死を巡る実話で、牧師が過失致死罪で訴えられたところから始まります。

そして彼女の死に至るまでの行動、関係者に漏らしていた言動、医学的見た精神異常という検事側の主張、助けを求めてきた少女のために悪魔払いの儀式を行った牧師と弁護側の主張など、事件に関わった関係者のあらゆる視点による証言で法廷劇が繰り広げられます。検事側は普通に治療を受けていれば彼女は亡くならなかったはずだと主張し、弁護側は彼女には本当に悪魔がついていたと主張します。そして…


 この物語はホラー映画と位置付けられていますが、CGを駆使した怪物が出てくるわけでもなく、肉体を蝕まれた少女の苦しみの演技で悪魔を表現するのです。しかし、少し視点を変えてみると病人への虐待としか感じられないような映像なのに、それをホラー仕立ての演出で画いていくのです。
そして中盤以降はこの世のものとは思えないような混沌とした世界観になるのですが、これは現実に起こった事件であり、今でも悪魔払いをしていたときの証拠のテープは残っているのです。

本当の真実は何だったのか?解らなくなる映画でしたが、とりあえず悪魔に取り付かれた役を演じる“ジェニファー・カーペンター”さんの演技に支えられていた映画だという印象でした。


 この作品では悪魔払いを巡り、双方が論理的に証明をする法廷劇が行われているのですが、現実の世界でも濡れたネコを電子レンジで乾かそうとした事件で製造メーカーを訴えたり、ファーストフードの食べすぎで太った人がマクドナルドを訴えたりするような前例があったように、ある意味でアメリカの訴訟社会の一面を見たような気がします。映画の中で画かれているようなことがアメリカの法廷内で本当に起こっているのなら、あんな異常な判決が出るのも無理ないよな〜って気分になりました。



エミリー・ローズ デラックス・コレクターズ・エディション
エミリー・ローズ デラックス・コレクターズ・エディション

で、そんなこんながありまして、続きを読む?
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