シネコンの行列を見てると、昭和の時代を再現した三丁目の夕日は大人や家族連れの人々、携帯で小説を読むという新しい媒体の恋愛物語には女の子や若いカップルたち、そして、この映画はほとんど男性ばかりという分かりやすい状況になっていました。
で、初日2日間の成績を見てみると、
1位 動員数 45万人 興行 5.96億円 バイオハザードIII
2位 動員数 43万人 興行 5.48億円 ALWAYS 続・三丁目の夕日
3位 動員数 39万人 興行 4.76億円 恋空
なのです。
前評判のことを考えると、この意外な結果に驚かされてしまいました(バイオハザードはシリーズ史上最高の興行成績としてスタートしたのです)。
どうせ、すぐにバイオハザードIIIと恋空は人気が下がり、続・三丁目の夕日がロングランヒットして最終的にトップになると予想されるのですが、前作への思い入れが強すぎて、続編となってしまった三丁目の夕日は観る事はできないという人が意外と多いのかも?とも思ったaliasなのでした(バイオハザードへの前作の思い入れは無いっていうこと?)。
物語は、ラクーンシティーでの惨劇から数年経ち、T−ウイルスは世界中に広まりアンテッドたちに埋め尽くされた地上は砂漠化されてしまい、文明社会は危機に瀕していた。今も監視衛星でアンブレラ社から探索されている主人公のアリスは監視の目をかいくぐりながらも生存者を探すための旅を続けていたが、生き残った人々は食料や武器、弾薬など残りわずかな資源を奪い合う生活を余儀なくされていた。だが、世界中を汚染しているはずウイルスが遠く離れたアラスカの地には影響を及ぼしていないという情報を知り、あの惨劇以来、離ればなれになっていた仲間と共に旅立つ準備を始める。そして…
バイオハザードの特徴であった地下や建物内で戦うという設定から抜け出してしまい、“北斗の拳”や“マッドマックス”のような荒廃した砂漠の地で戦う設定になっていました。そのため原作であるゲームをプレイしていた友人は、オリジナルとはかけ離れてしまい、すでにバイオハザードではない!と言い切っていました。
なのですが、物語の冒頭ではクローン実験で使われた何十体ものアリス死体が捨てられている衝撃的なシーンが映し出されるのです。それはまるでミッションに失敗してしまいゲームオーバーになってしまった数だけ死体があるということを皮肉ったような、原作ゲームへのリスペクトを感じさせる映像でした。
この映画の情報を検索していると、「アリス、砂漠に死す。」とか最終章と書いてあったので完結編と思い映画を観ていたのですが、アリス計画やアンブレラ社の真の目的など、謎を含ませたままでのエンドロールとなり、さらに続編を匂わせるラストとなっていました(次回作が製作されるなら日本ロケもあるかも?)。
で、主演であるミラ・ジョヴォヴィッチさんがこれまでのバイオハザード・シリーズ作品やウルトラヴァイオレットなどを経験し、完成度の高いアクション女優として彼女の魅力が満載されているのですが、彼女が同じ様なアクション映画にしか出演していないこともあり、どの物語も似通って見えてしまう演技や毎回全裸のサービスカットがあるということ自体も定番となってしまい、目新しさが見当たらない作品でもあるのです。
そのため、シリーズ史上最高の興行成績というスタートとなり、内容もそこそこに楽しめる作品に仕上がっているのですが、形式化したゾンビの演技やアクション、演出方法など、このコンテンツ自体がマンネリ化している印象を受けてしまうのです。
“13日の金曜日”というホラー映画が、シリーズを重ねるたびにコメディー映画へと変化していったように、この映画で続編を製作するには、これまでと同様の演出方法で観客を引き付けるのは難しくなってきたんじゃないのかな?と思ってしまう作品なのでした。
ということで、何で?ALWAYS 続・三丁目の夕日を観に行かずにこの映画を優先してしまったんだろう??と後悔してしまったaliasなのでした(おいおい)