2007年10月14日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

 ということで、ようやく映画を観ることができたのですが、すでに2007年9月1日の公開から1ヶ月以上経っていたため、シネコンでは一番小さなスクリーンでの上映となっていました。


 “新世紀エヴァンゲリオン”と言えば今でもパチンコになるほど有名なテレビアニメなのですが、初めてアニメを見たときに、あまりに完成された物語構成や誰も観たことがないような映像に驚かされた記憶があるのです。でも、物語が進むにつれて定番アニメのような展開になってしまったり、物語が訳の分からない方向へと迷走し、途中で息切れしてしまい中途半端な状態で最終話を迎えてしまったイメージもある作品なのです。

なのですが、エヴァは純文学や哲学を思わせるようなすばらしい結末の作品だったと、今ではオタな友人たちが冷静に分析してくれるのです。でも、社会現象になるほど盛り上がった時代をリアルタイムで過ごしていた人々には現在のような冷静な判断ができる人は少なく、物語をちゃんと結着させろ!と言う声を多数が上げたため、制作会社であるガイナックスさんが映画という媒体を使って、新たなる物語の結末を作ることになったように記憶しています。


劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に
劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に



 今回は12年ぶりにリニューアルされた全4部の予定(←ここが大事!)の映画なのですが、“序”、“破”、“急”と3作のサブタイトルは決まっていて、最後のタイトルは未定という庵野秀明監督らしい思わせぶりな告知なのです(ちなみに序破急とは能楽などで使われる物語の構成方法のことを指し、起承転結のように使われる言葉だそうです)。さらにTVアニメを映画に焼き直した作品ではなく、人物や設定など微妙に変えて物語を再構築しているため、主となるストーリー展開も少しずつ外れていく作品になっているそうです。


 で、新劇場版の序はTVアニメでaliasが一番衝撃を受けたヤシマ作戦までを画いたストーリーだったので楽しみに観てきました(アスカさんはそんなに好きじゃないのです)。



 物語は、父に呼ばれ第3新東京市に上京してきた碇シンジだったが、特別非常事態宣言発令中のため駅から動くことができなかった。しかし、そこに高層ビルと同じぐらいの大きさがある正体不明の生命体が現れる。目の前で自衛隊と生命体との戦いが繰り広げられる中、怯えていたシンジの前にネルフ本部より迎えに来た葛城ミサトが現れた。彼女と共に危険な戦場から抜け出し彼らはネルフ内へと向かうが、彼女はヱヴァと呼ばれる巨大な物体の前に彼を連れ出した。さらに、シンジの父であり、ネルフの総司令でもあるゲンドウは、それに乗り込み使途と呼ばれるあの生命体と戦え言い放つ。想像もしなかった言葉にとまどい、目の前で見てしまった戦闘が脳裏をかすめ立ち竦んでしまい、全てを拒否するシンジだったが、弱音を吐いていた彼に代わり満身創痍の綾波レイが搭乗しようとする痛々しい姿を見て、彼はエヴァに乗り込むことを決意する。そして…


 この作品はテレビ放送されたフィルムを一切使わずに映画として再度撮影された作品なのです。なので、1995年にテレビアニメとは思えないほどの映像感覚を作り出した作品が、2007年ではどんな映像になっているのだろう?と思っていたら、な〜んか普通の映画なのです。当時の技術からは格段にレベルは上がっているのですが、現在ではアニメ業界全体の技術レベルが上がっていることもあり、この作品に他のアニメから飛び抜けたところが見受けられないため、普通の映画に落ち着いてしまっているのです。

さらに、そんな当時を知らない人達がこの映画を単独で観てしまうと、映画という短時間の媒体にアニメのストーリーを凝縮させていることもあり、登場人物の説明が不足していたり、十分な伏線が張られていないため物語に入り込みにくい状態となっています。


 ということで、新たな顧客を生み出すには不親切な作品でいて、映像的には当時を懐かしむために作られたような物足りない印象を受けてしまいました。

なのですが、次回の予告編などを見ていると物語が原作とかなり変わってしまっていることや、新たなる謎が生まれてきていること、年代表記が意図的に消されていることなど、オタクが刺激されそうな点を突いてくる庵野監督の物語構成のうまさがあるので、テレビアニメファンとしては次回以降も楽しめそうな気がしているaliasなのでした(簡単に言うと、エヴァ・ヲタ専用の映画だと思われます)。



-------------------------------追記--------------------------------------



 そういえば、今回、マスコミ向けの試写会さえ行われなかったことや、チラシ以外ではほとんど広報活動が行われない小規模での映画公開スタイルになっていたため、この作品は謎のベールに包まれてしまった映画になってしまったのです。そのため楽しみにしていた人達により、公開された当時は劇場の稼働率がかなり高いものとなっていました。


 で、今回はあまりに小規模ベースで映画が作られていたことについて、ファンの間ではパチンコの“CRエヴァンゲリオン”があまりにヒットしたので、ガイナックスの節税対策として、この映画が作られたのではないのか?と言う憶測があったそうです(つまり、ヒットしないことを前提にして、この映画が製作されたという噂があったのです)。


 なのですが、今回はガイナックスではなく2006年に設立された“カラー”の第一回作品として製作された映画なので、たぶん違うんじゃないか?と思っているaliasなのでした(それにしても宣伝・広告費をあまり使っていないから収益率が高そうな映画だな…)。

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