2007年07月22日

2007年7月21日の土曜プレミアム

 同じ日の(土)にはサッカー・AFCアジアカップ2007・準々決勝「日本×オーストラリア」が19:00から放送していましたが、夏休みに入って初めての週末ということで2006年にヒットしたアニメ映画“時をかける少女”がフジテレビ系列で21:00から放送されました。

テレビ欄をチェックしてみると土曜プレミアム 日本アカデミー最優秀アニメーション賞受賞映画「時をかける少女」という番組名になっていたのですが、題名というよりはほとんど説明文みたいな不自然なタイトルになっているところに楽しんでしまいました。

当初、アジアカップの試合と映画は30分ほどの放送時間が重なっていただけでしたが、試合がPKにまでもつれ込んだため1時間以上放送時間が延長してしまいました(いつもながらPK時の川口能活さんは神がかり的なのでした)。なので、視聴者の年齢層が重なっていそうな作品だったので、どちらの視聴率が高くなったのか?気になるところです(ということで、視聴率をチェックしておきました)。


 この作品は2006年度の映画興業成績としてはベスト10に入るような作品ではありませんでしたが、単館上映として始まった小規模な作品としては、異例の興行成績でロングランヒットした作品となりました。

その結果、日本アカデミー賞のアニメーション賞を筆頭に数々のタイトルを受賞し、さらにその評判は日本だけでなく世界的な評価を受け、韓国や中国などのアジア圏だけでなく、アメリカやイタリア、フランスなど、海外でも放映されることとなったのです。

で、この映画は主人公が意識してタイムリープ(←時を越える現象の事を指す言葉です)ができるので、時を越える時にいつも主人公の少女が大声で叫ぶシーンがあるのですが、「行っけぇ〜!」とか「だぁ〜!!」、「おりゃぁ〜!!!」など日本語以外では表現しにくいセリフを使うのです。海外では日本と違ってほとんどの地域で、字幕ではなく吹き替えをしているので、各国の予告編を見ているだけでも楽しめる作品となっていました。


 時をかける少女は1967年に刊行された筒井康隆先生の小説が原作となるのですが、1972年にNHKでドラマ化されたり、1983年に大林宣彦監督、原田知世さんで尾道三部作として大ヒットしたり、コカイン密輸事件で逮捕され退任した元角川書店社長である角川春樹さんで1997年に映画化された幻の作品があったり、その他にもモーニング娘。さんや南野陽子さん、内田有紀さんなど何度もドラマ・映画化された作品なのです。

今回は初のアニメ映画となるのですが、それだけではなく原作から20年後を舞台として物語を再構築して主人公を変えてしまうという別の作品になっていました。なのですが、原作の主人公である芳山和子が魔女おばさんという役柄で登場し、今回の主人公である紺野真琴にアドバイスするという前作の後日談的な要素も含まれているため、この作品で初めて知った若い世代だけでなく、中高年の人も楽しめる作品となっているのです。


時をかける少女


 で、この作品を監督した細田守さんは1984年からアニメーターとして活躍し始めた、影なし技法を追及した映像に定評がある人なのですが、2000年頃にスタジオジブリの次世代監督して2004年に公開された“ハウルの動く城”に抜擢されていた人なのです。

なのですが、当時のスタジオジブリは2001年公開の“千と千尋の神隠し”の製作で手が離せない状態であったため、ジブリサイドからは協力がほとんど得られず監督本人が他のスタジオと交渉して製作スタッフを集めるしか方法がなかったのです。さらに途中から諸事情により宮崎駿監督が製作することが急遽決定したため、彼のチームは追い出される形となってしまい、彼が集めたスタッフたちへの人望だけでなく、彼らの給料面、仕事の保障ができなくなり、アニメ界での地位を失った彼は個人として創作活動せざるを得ない状態に追い込まれてしまったのです。

なので、彼はディズニーからお家騒動のため追い出されてしまい、ドリームワークを設立して“シュレック”という恨みの作品を作り出したジェフリー・カッツェンバーグさんと同じような軌跡をたどった人物なので、たぶんジブリに深く恨みを抱く人なのです(おいおい)。

もし彼がハウルの動く城を完成させジブリの一員としてある程度の地位を築いていたら、2006年の同じ時期に公開されていた、宮崎駿監督の長男である宮崎吾朗監督による“ゲド戦記”という親の七光りのような無茶な企画は無くなっていたかも知れない!と思うと、考え深いものがありました(言い過ぎだって!)。


 そんな映画のTV放送を楽しみにしていたのですが、結局はサッカーが延長したためHDDの追っかけ再生で観ることになってしまった、サッカー好きのaliasなのでした。



 ということで、映画の本題なのですが(前置きが長すぎるって!)、

物語は、放課後の毎日、優等生の津田功介と少し不良な間宮千昭の三人で野球の真似事をしている紺野真琴は普通に元気な高校二年生だった。夏休みが間近に迫った7月13日は彼女には朝から運の良くない一日だった。寝坊して遅刻しそうになったり、学校の小テストがほとんど解けなかったり、調理実習で失敗したり、日直でプリントを運んでいたら転んでしまったり、災難ばかりが訪れる。そして帰り道に、自転車で坂道を下っていたらブレーキが利かなくなり、勢いのついた彼女はそのまま踏み切りに飛び込んでしまい、電車に引かれてしまった…。

そこで彼女の人生は終わるはずだったが、なぜか自転車のブレーキが利かなくなる前の数秒前に戻っていた。そのことを魔女おばさんさんに相談してみるが、「それはタイムリープといって少女時代ならよくある現象だ」と簡単に説明されてしまう。初めは半信半疑だった彼女だったが、時間や場所をも飛び越える方法を覚えてしまい、運の悪かった7月13日をやり直そうとする。そして…。


 普通の人がタイムリープを覚えたら、株で儲けるとか、totoサッカーくじの当選番号を調べて翌週に一攫千金を狙ったり、お金や物欲など生々しいほど現実的なことを思い出す人が多いと思われますが、この17歳の少女は、妹に食べられてしまったプリンを取り戻すためにタイムリープを使ったり、テストで良い点を取るために時間を戻したり、カラオケを歌い続けるために同じ空間を何度も繰り返したりするのです。そんな彼女の行動に微笑ましさも感じるのですが、あまりに子供だからという言葉で片付けるには少し無理のある設定なのでした。

でも、実写でもできそうでありながらアニメでしかできない映像で作りこまれた雰囲気や、学校の教室や黒板、無駄話ばかりをしていた友人、放課後の夕焼けに染まる空など、学生時代の思い出がよみがえって来るほどディテール豊かな映像と美しい音楽が流れる世界感に浸ってしまいました。


 珍しく映画を2回連続観たのですが、冒頭から出てくる伏線的なカットやセリフなど、後から冷静に見ても非常に作りこまれた脚本であることにも気付き驚かされました。なので、この映画をネットで検索してみるとSF的な考証などを含めかなり議論されているのですが、細かすぎてほとんど展開についていけないほど考察され過ぎていました。

いろんな伏線を含めながら物語の後半は加速していくのですが、自分のことしか考えていなかった彼女が過去を変えることにより迷惑を受けている人物がいることに気付いたり、他人の恋愛を通じて初めて自分の恋に気付かされたり、周りの人達のために彼女が何度もなんども時間を飛び越え幸せな未来にするため挑戦する姿が画かれていくのです。一度観ただけでは気付きにくい伏線やSF的な矛盾点などもありますが、気にしなくても楽しめてしまうほど感動的な暑い夏の物語なのでした(久しぶりにほろりとしました)。


 今回、主人公役の仲里依紗さんは声優の初挑戦だったので、このクオリティーの高い作品に合わないと評判が悪かったようなのですが、タイムリープするとき「行っけぇ〜!」と叫びながら飛び上がるシーンだけは最高だったと思っているaliasなのでした。



時をかける少女 通常版
時をかける少女 通常版
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