2007年07月08日

傷だらけの男たち

 インファナル・アフェアに続き、この香港映画もハリウッド・リメイクが決定したそうです(両方ともアンドリュー・ラウ監督作品なのです)。

インファナル・アフェアと言えば、レオナルド・ディカプリオさん主演、マーティン・スコセッシ監督でリメイクされたディパーテッドが先日に行われた第79回アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞した作品なのですが、この映画も引き続きディカプリオさん主演でリメイク決定だそうです(今度こそ、アカデミー主演男優賞を受賞してやる!という彼の意気込みなのかな?)。


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さらに、今回もトニー・レオンさん主演、共演の金城武さん、そして最近はあまりテレビで見かけない浜崎あゆみさんが日本語主題歌を担当する豪華メンバー(?)なのです。

欲望の街などのマイナーな作品まで観てアンドリュー・ラウ監督ファンになってしまったaliasとしては、この映画を見逃すわけにはいかないのですが、これだけ宣伝しやすい材料がそろっているのにいまいち世間の認知度が足りないような気がするのです。

…と思っていたら、配給会社がエイベックス・エンターテイメントとなっていました。

こちらは映画配給としては新参の会社なので、広報戦略に失敗したのかな?と勝手に決め付けているaliasなのでした。


 物語は、2003年のクリスマスの夜、連続殺人犯を追っていたポン(金城武)は上司であるヘイ(トニー・レオン)と飲み慣れない酒を飲みながら犯人の張り込みをしていた。その夜に無事犯人を捕まえることは出来たが、ポンが家に帰ってみると彼女は変わり果てた姿となっていた、しかも彼の子を身ごもった姿のままで…。3年後、刑事を辞職して私立探偵となっていたボンは、つらい記憶を忘れることが出来ずに酒浸りの生活を送っていた。一方、妻であるスクツァンと幸せな生活を送っていたヘイだったが、香港の実業家として有名だった義父が殺されてしまう。当初は強盗殺人とされ犯人らしき人物も見つかったが、固いセキュリティーがいとも簡単に破られていること、証拠品を持った犯人と見られる人物が死体として見つかったこと、強盗にしてはあまりに残忍な犯行であることに不審を抱いた妻は私立探偵のポンに捜査依頼をする。そして…。


 最初は、ハードボイルドな犯人探しの物語だと思っていたのですが、かなり前半の方で犯人は夫であるヘイだと観客に教えてしまうのです。

その展開に、身分を偽って生きていくことの辛さや、正体がバレてしまうことにより身の破滅する緊張感を画いたインファナル・アフェアの二番煎じのような映画になるのかと思っていたら、ヘイが殺人を犯した動機を探す方向へと物語は変貌いきました。

今回の金城武さんは映画の本編中、過去の記憶を忘れるために酒浸りで酔っ払っている役どころなのですが、監督が本物のお酒を飲ませ続けリアルな演技をさせたほど真に迫っているのです。そしてつらい過去が暴かれるトニー・レオンさん演技など二人の男の心が傷だらけになっていく様を画いた痛々しい物語になっていました。


 ということで、この二人に焦点を合わせ過ぎたため周りの人物の画き方があいまいになっているところや、真面目過ぎたり硬派過ぎるところが多少気になったりするのですが、美しく映し出される情景や観客を驚かそうとする脚本、男の生き様を画く切ない描写など、秀作な印象の香港映画なのでした。
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