シュレックの2作目は全米の歴代映画興行成績ではタイタニック、スター・ウォーズに続く、第3位に輝く作品となり、アニメ部門ではもちろん一位となるのです。そして、アニメ部門の第2位も今回公開されるシュレック3がランキングされています。
さらに、この映画興行収入を受けて、あと2作の製作が決定し、シュレック4、シュレック5が公開されることになるほど全米では人気のある作品なのです。
なのですが、日本では年度別のベスト10にすら入らない程度の興行成績なので、やっぱり日本で緑色の生物の映画はヒットしにくいのかな?とあらためて思ってしまいました。
シュレック&シュレック2

シュレックを生み出したのはドリームワークスSKGという会社なのですが、映画監督であるスティーブン・スピルバーグさんと、レコード会社を経営しているデビッド・ゲフィンさん、かつてはディズニーの映画事業部の責任者だったジェフリー・カッツェンバーグさんたちで1994年に設立された会社なのです。昔、ジェフリーさんはディズニーのアニメ部門を含む製作部門のトップにまで登りつめた人だったのですが、あの揉め事の多いディズニーの会長だったマイケル・アイズナーさんと対立し失脚させられてしまった人なのです。そして、最初は順調に行かなかったドリームワークスで試行錯誤の経営をしていた彼が、2001年に送り出したのが1作目のシュレックなのです。
そのため、この作品は彼のディズニーへの怨念がこもっていたためなのか?メルヘンなおとぎ話のキャラクターをバカにする、ディズニーという権力に立ち向かった、ちょっと辛口なユーモアとパロディーで構成される少し下品な物語となっていたのです。
アンチ・童話、アンチ・ファンタジー、アンチ・ディズニーのコンセプトで作られて映画なのですが、2002年に新しく創設されたアカデミー長編アニメ部門の第一回作品として受賞してしまうほどの大作となってしまいました。
そんな意気込みがあった作品も、もう3作目になってしまったのですが、どんな映画になるのか?楽しみに観てみたaliasなのでした。
ということで、映画の本題なのですが(いまごろかよ!)、
物語は、人里はなれた森に住んでいた怪物であるシュレックは、ハロルド国王の娘のフィオナ姫とめでたく結婚した。しかし、ハロルド国王が病に倒れ亡くなってしまう。彼の遺言で王位を継ぐように頼まれていたが、それを拒否するシュレックは第二の王位継承者であるアーサーを探す旅へと出かける。だが、シュレックに恨みを持つチャーミング王子は彼が居ない間におとぎ話の悪役たちを連れて、王家を乗っ取ろうとする反乱を起こしたため、城に残されていたフィオナは捕えられてしまう。そして…。
ディズニー映画の興行成績を超えるシリーズ作品なってしまったことで、ディズニーを皮肉る部分はほとんど消えてしまい、実写映画や前作のシュレックをパロディーにした作品となっていました。
さらに、全米で大ヒットしたという前提があるためなのか?前作の物語を観ていないとほとんど分からない脚本になっいたり、いろんな映画のパロディーが入っているので、前作を見たことがない人や、映画自体を1年に1度ぐらいしか観ない人は何が面白いのか?半分以上の内容が分からない作品なのです。
そして、主人公であるシュレックや、フィオナ姫やドンキー、あのウルウルな目がかわいい長靴を履いた猫などの出番があまり無かったことや、実写と見間違えるほどのすばらしいCG技術が生々し過ぎる映像になっていたので少し気味が悪く見えてしまったり、悪役であるチャーミング王子があまりにひどい扱われ方がする展開に楽しめない部分などがありました。パロディーな映画としてそこそこは楽しめるのですが、製作されたアメリカと日本との文化圏の違いや温度差を感じてしまう映画でした。
今回は字幕版を観たのでマイク・マイヤーズさん、エディ・マーフィーさん、キャメロン・ディアスさん、アントニオ・バンデラスさんらの豪華声優人たちのアテレコに楽しめた部分もありましたが、この作品に限っては、日本人好みに合わせて吹き替えした浜田雅功さん、藤原紀香さんの日本語吹替版の方が楽しめそうな気がしたaliasなのでした。
シュレック3 スペシャル・エディション
