2007年06月10日

プレステージ

 この映画の日本公開が決まったころの題名は“イリュージョンVS”になっていましたが、その題名が不評だったためなのか?結局は、原題となる“THE PRESTIGE”に戻したようです。

マジシャン同士の対決を画いた作品だったため、当初はこんな不自然なタイトルにしていたのかもしれませんが、本当の理由はプレステージという名前の車や会社が多かったり、アダルトなビデオを製作している有名な会社もあるので、ネットでの検索を優先するマーケティング的な理由などから変更したのかもしれませんね。


 で、この映画はクリストファー・プリーストさんの“奇術師”という本が原作になるのですが、世界幻想文学大賞を受賞し、日本でも“このミステリーがすごい!”、“SFが読みたい!”にノミネートされていたということで、ミステリー好きなaliasとしては楽しみにしていた作品なのでした。


〈プラチナファンタジイ〉 奇術師
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師



 物語は、19世紀末のロンドンに二人のマジシャンがいた。グレート・ダントンと呼ばれる人々を魅了させるエンターテイメントを知り尽くしたロバート・アンジャーと、プロフェッサーと呼ばれる数々の奇術を生み出しながらも人々に認められず不遇を強いられるアルフレッド・ボーデン。二人は弟子時代からの仲間だったが、アンジャーの妻がマジック中の舞台で事故死をしてしまう。ボーデンの不手際により彼女が亡くなったと思い込んだアンジャーの復讐がきっかけとなり、やがて二人は骨肉の争いに発展していく。不毛な争いが続く中、マジックの舞台での事故でアンジャーは死んでしまう。その場に居合わせたボーデンは犯人として逮捕されてしまい、彼を裁く裁判が始まる。そして…。


 マジックの裏舞台をテーマにした作品なので、マジックの洗礼されたきらびやかなシーンはほとんど無く、彼らの復讐劇を中心に画かれるのです。そして、その争いの内容が、相手に舞台に乗り込み観客の前でマジックの邪魔をしたり、タネを明かしたり子供のような喧嘩をするため、主人公の二人には全く感情移入できない構成となっています。

そして、デビッド・ボウイさん演じる“ニコラ・テスラ”という実在した人がキー・ポイントとして登場するのですが、アメリカでは有名な人物なので映画の中では何の説明もないのです。彼は発明王エジソンの下で働いていた発明家なのですが、研究の意見の相違により彼の元を去り、その後は生涯において反目しあう関係になるのです。

彼自身は変圧器の発明者として知られるのですが、彼のオカルトな発言や行動によりマッドサイエンティストと呼ばれる人物だったエピソードを絡めて、この物語の後半は混沌とした方向へ進んでいきました。



 19世紀末のロンドンを再現した美術や、ヒュー・ジャックマンさんやクリスチャン・ベイルさん、スカーレット・ヨハンソンさんの演技なども魅力なのですが、この映画の結末は決して誰にも言わないで下さい。とか、この作品はトリックそのもの。だまされるな。ということを前面に押し出したクリストファー・ノーラン監督の映画なので、その仕掛けが気になるところなのです。

一緒に観ていた友人たちはマジックを絡めたエンディングに驚かされていたのですが、aliasとしては、ミステリー小説としてみるとアンフェアな謎解きであることや、“マジック革命!セロ!!”で有名なセロ・タカヤマさんの一部のマジックが、タネでも仕掛けでも無くCG加工の編集でマジックが演出されているのと同じくらい納得がいかないのです。

観客が納得するようなマジックの仕掛けを映画の中でバラすぐらいなら、マジシャンにタネを売ったほうが金になるのかもしれませんが、こんな伏線の張り方で、このフィナーレでは、ちょっと…。


 こんな挑戦的な宣伝をしていなかったら、普通に楽しめていた映画だったのにな〜と、少し残念に思うaliasなのでした。
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