2007年05月14日

日本以外全部沈没

 やっぱり、日本沈没を観た後は、この作品を観ておかないとね!

この映画の原作は筒井康隆さんの短編小説なのですが、日本沈没の原作を書いた小松左京さんから許可を得て、1973年にパロディー作品として書かれた小説です。

aliasが読んだときは、“農協 月へ行く”という表題作品に収められた短編集の小説だったのですが、題名には“日本以外全部沈没”と強調して書いてありました。

日本以外の大陸がほとんど沈んでしまうという設定に驚かされたのですが、20ページほどの短編作品だったため、難民として訪れてきた外国人たちが卑屈に日本人に媚を売るというブラックユーモアや、欧米人に対する日本人の劣等感ぐらいしか画かれていなかったのです(でも、登場人物はほとんど実名なのです)。


 で、今回は30年以上前の作品を、現在の視点で画くということで、

ブラッド・ピットさんやジョニー・デップさん、キアヌ・リーブスさん、デビッド・ベッカムさんたちが、日本でホスト・クラブの従業員をしてくれたり(おいおい)、

キャメロン・ディアスさんやサラ・ジェシカ・パーカーさん、ジェニファー・ロペスさんが、メイドになって家をお掃除してくれるようなシーンを画くのかな〜?(悪ノリしすぎだ!)と妄想して、楽しみに映画を観てみたaliasなのでした。


 なのですが、日本以外の大陸が沈没していく姿を、ウルトラマンの初代が活躍していた頃と変わらないような特撮で表現するため、物語の中に入り込みにくいのです。

さらに、日本人に媚を売る外国人たちや、欧米諸国に劣等感をもつ日本人などの切なくなるようなシーンも画かれているのですが、1970年代の倫理観念を持ち出すため、現代の日本人の感覚からはかなりかけ離れたストーリ展開となっているのです。

そして、領土を失った世界中の人々が日本に難民として救済を求めてくるということなので、在日米軍基地など領土の問題、現代の中韓との微妙な国際情勢、そして、北朝鮮の金正日総書記まで出てくる微妙な内容を扱ったストーリーとなっているのですが、パロディーに原作を踏襲するだけの作品になっていました。


 それに、筒井康隆さんの短編作品は、今読み返すと、どうしても面白く無くなっている印象になってしまうのです。

たとえば、深田恭子さんでテレビドラマ化された“富豪刑事”などは、難事件を解決するために、自分の財産を湯水のごとく注ぎ込むという設定や、 “農協 月へ行く”という作品は、ロケットで月の観光旅行へ行くが、日本から出たことも無いような世間知らずの農民だったため、数々の問題を起こすという設定になっているのです。

そのため、短編集に関しては筒井康隆さんの着想を楽しむ作品になっていることが多いのですが、彼の手法や着想はドラマや映画などで何度も模倣されてきたため、現代では、どこかで見かけたような陳腐な作品に見えてしまうのです。

つまり、1970年代に作られた作品に、現代の手法や新たなる構想を練りこまず、製作サイドがそのまま映画にしてしまったため、この原作が生かしきれていないのです。


 ということで、B級映画どころか高校生の文化祭レベルのような作品となっているのです。でも、リチャード・ギア風の男が、最初はオスカー俳優ということで丁重に扱われるのですが、やがて、落ちぶれ仕事も無くなり、最後は風俗の看板を担いで客の呼び込みをするという展開に、ある意味で、楽しんでしまったaliasなのでした(笑えない)。



日本以外全部沈没
日本以外全部沈没

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

キャメロン・ディアス、ラスベガスで新恋人とデート!
Excerpt: キャメロン・ディアス(34)に新恋人のウワサが浮上した。相手はマジシャンのクリス・エンジェルで、2人は土曜日に開催されたイベント、VH1ロック功労賞授賞式で知り合ったようだ。 土曜の夜にV..
Weblog: 海外セレブ★ゴシップ集
Tracked: 2007-05-16 16:03

『農協 月へ行く』
Excerpt: 筒井康隆『農協 月へ行く』(角川文庫)、読了。 「筒井康隆vs農協となれば面白いに違いない」と思い買ってきた作品。 しかし内容は、「農協」というよりは「土地成金の農民」の ニュアンスが強かっ..
Weblog: 観・読・聴・験 備忘録
Tracked: 2007-07-22 23:18
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。