讃岐をテーマにした映画なので香川県では異例のヒットをしたそうなのですが、県単位で興行成績を集計できるという事実に驚かされた映画なのでした。
物語は、海外でコメディアンを目指していた松井香助は、夢破れ借金もかさみ実家へと戻ってきた。うどん屋の息子として生まれた彼は父への反発と共にうどんのことを嫌っていたが、地元のタウン情報誌に就職したことを通じ香川のうどん文化を知る。うどんに関わる人々のやさしさや製麺所の独特な営業体系に触れたことで、やがて彼はタウン情報誌の取材や編集にもたずさわり始める。それが雑誌の売り上げを大きく伸ばし始め、火付け役となり全国へブームが広がった。やがてブームが去り始めたが、父の仕事にあらためて誇りを感じた彼は、父と向き合うことになる。そして…。
この作品は“踊る大捜査線”シリーズの亀山千広さんと本広克行さんという事で、製作を担ったフジテレビさんがTVで大プッシュしていました。そしてユースケ・サンタマリアさんや“サマータイムマシン・ブルース”の人々など本広監督作品に関わりの深い出演人になっていました。
そして、アナウンサーもたくさん出演しているのですが、うどんブームを作り上げ、そしてあっさり見切っていくというマスコミへの批判のような物も画いていたのです。そのため、あまりにリアルな映像になっていたのですが、このエピソードにテレビ局側がNGを出さなかったことに驚かされました。
でも、映画のときにはあれだけ大々的にテレビで宣伝していたのに、興行成績は13億円といまいち振るわなかったので、DVD発売のときはあっさり見切っていたようです(おいおい)。
で、炭水化物をテーマにした映画ですから、様々なエピソードを絡めながら、美味しそうな湯気やうどんを作っている人々のリアルさ、お店の雰囲気などが画かれるのですが、それをおいしそうに食べる姿は観ていてお腹がすいてくるような物語だったのです。
うどんをテーマにここまでエンターテイメントな映画にしていることに驚かされましたが、多彩なゲストの出演やトータス松本さんがあの名曲を歌っているシーンなどサービス満点な映画でした。
なのですが、全編134分にわたるこの映画の後半には、父のうどんの味を再現するためのお話も画かれるのです。泣ける映画にするためには大事な要素なのですが、前半のうどん文化など監督の思い入れなども含め、エピソードが詰め込まれ過ぎているのです。
たとえば、たぬきとかきつねなど、うどんに天ぷらやお揚げをのせても美味しいのですが玉子、ねぎ、お餅、カレーなど様々な食べ方がありますが、この映画はそれをひとつの丼に入れ混ぜてしまったような印象になっているのです
一つひとつのエピソードは楽しめるものとなっていたため、どちらかのストーリーに集約していれば90分ぐらいのまとまった映画になっていたと思われるので、少し残念な作品なのでした。
ということで、あまりにもうどんを突きつける映画だったので、観ているだけで3日連続でうどんを食べたような気分になってしまい、お米を食べたくなってしまったaliasなのでした(おいおい)。
UDON スタンダード・エディション
