1作目の“星を継ぐもの”は、主人公はカミーユ君という新シリーズ用のキャラクターになっているものの、ファーストガンダムで活躍していたモビルスーツの面影、シャア・アズナブル、アムロ・レイ、カイ、ハヤト、ブライト、カツ・レツ・キッカなどの初代キャラクターの10年後の姿を画くことで、前作で築き上げたものに頼りながら物語を作り上げていたようなイメージがあったのです。
2作目の“恋人たち”は副題にも書いてあるとおり、恋愛をテーマに画いているのですが、現実の世界ではありえないような薄っぺらい恋愛しか画いていなかった印象を受けたのです。
そして、予算がなかったためか原画も20年前のものをかなり使いまわし、1時間半ほどの上映時間にテレビシリーズの要素を無理やり詰め込んだようなダイジェスト版のような作品だったのです。
テレビシリーズに思い入れがあり何度も見ている人は、まどろっこしい展開なんて要らないから物語を早く展開させて欲しい!と思うのかもしれませんが、初めて観るaliasとしては展開の早さに追いつけないのに、瞬く間に終わってしまう短い映画だったのです。
で、そんな話をアニオタを自称する友人に話してみると、
「サンライズが製作するテレビアニメシリーズは今までに何度も映画化した実績があるねんだけど、いつも50話近くあるテレビシリーズを1時間半ぐらいの1話完結型の映画にしてしまうねん。だから、それと比べれば3作に分けるほど余裕のある映画やから、まだマシな方やで!」
だそうです(そんな比較論で話されてもな〜)。
で、映画の本題なのですが(今頃かよ!)、
ティターンズの権力集約を狙うシロッコ、旧ジオン軍の残党でザビ家の復興を狙うアクシズのハマーン・カーンらが、カミーユ、シャアが所属する反地球組織エゥーゴの前に巨大な敵として立ちはだかり、三つ巴の戦いが始まる。最終作にふさわしく、破壊的に進む絶望的な物語の展開の中、さまざまなキャラクターが無様に、そしてドラマティックに死んでゆく。そして…
テレビシリーズにはまっていた友人によると、
「新約Zって最後だけじゃん!w。それにフォーはどこに行ったんだ?とかツッコミどころ満載ww。初見で観ただけでは絶対理解不可能www。」
だそうです(何のために公開したのか解らない、謎多き作品という感想だったようです)。
ラストシーンの変更やオリジナルを大幅にカットしているため原作のイメージが壊れるということで悪評も聞かれる作品なのですが(新約だから仕方ないと思うんですけどね)、この映画のシリーズでZガンダムを知ったaliasにはこの作品に関しては意外と好印象だったのです。
相変わらず画面には新旧の映像が入り混じっているのですが、今回は新しく書き直したものが大幅に増えているためか画面から迫力も伝わってくるのです。そして前回まではファーストシリーズのザビ家の人々やレビル将軍のような大人の倫理観念を持つキャラクターがいなかったのですが、今回はシロッコさんやザビ家の復興を狙うハマーン・カーンさんらがそれを代替し物語に重みを加えていたのです。
で気になるのが、原作を大幅にカットしたそうなので前回までと比べれば速すぎる展開の物語にはなっていないのですが、ストーリーには日常のシーンが少なくほとんど戦闘シーンで展開されるのです。そのため物語の進行に必要な敵との会話をコックピット内で成立させるために、ニュータイプの能力を敵と会話するための通信機の役割としてしか使っていなかったことなのです(おいおい)。
なのですが、初代ガンダムの“めぐりあい宇宙”の時と同じように、このZガンダムもシリーズ最終作が一番完成度の高い作品になっているという印象を受けたaliasなのでした。
機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-
