そして未だにレンタルビデオ屋さんでも常に貸し出し中になっているので、寂しそうに肩を落としている老人の方々の後姿をよく見かけるのです。
日本の第二次世界大戦の事を教えられてきた人のほとんどが知っている大和の沈没という事実。
この悲惨な結末が分かっていることに対してどのような物語を構築してくるのかと思っていたら、反町隆史さんには烹事所班長(炊事のことです)、中村獅堂さんには機銃射手と普通の軍事映画では持ってこないような人々を主人公にしていました。あえて花形の砲撃手や艦長を主人公にしなかったことにより、一般兵士達の生き様などが生々しく伝わってくるのです。
そして悲惨な大和の沈没のシーンが画かれたところで物語が終わるのではなく、その時代を生きて来た人々の戦争への決着、人生においての決着まで画いているところに哀愁のようなものを感じさせられました。
この映画は公開12日目で100万人を超えて、23日目で200万人を突破した異例の観客動員数なのです。東映映画中最速の観客動員だったそうで、昔からあった映画という媒体でこの時代にこんな記録を打ち立てたということに驚きました。
お正月公開作品だったこともありますが、一年に数度しか映画を観る人だけでなく、映画を観に行かない層の人間まで動員したことがヒットの要因なのかもしれません。最近では珍しく、映画館ではエンドロールが流れた後も映画について語り合っている人々がたくさんいたのです。
そんな映画なのに、この作品の公式サイトではプレゼントなどと引き換えてもらえるポイントに、
候補生 少尉 中尉 大尉 少佐 中佐 大佐 少将 中将 大将
などの階級システムというのを採用しているのです。映画を見てからこのサイトを見たらこの物語を冒涜してるのか?と広報担当の人のセンスを疑いたくなったaliasなのでした(おいおい)。
男たちの大和 / YAMATO
