物語は、ヘヨン(チョン・ジヒョン)はオランダでアンティークショップを経営している親戚の下で働きながらも絵の勉強をしている。彼女はオランダに来てから、姿も顔も見せないがいつも困ったときに助けてくれる人の存在を感じていた。その人は決して彼女に前には現れないが、店の前にいつもデイジーの花を置いていてくれた。そして彼女はその幻のような存在の人にいつしか恋しはじめていた。
そんな彼女が街角で観光客相手の似顔絵を描いていたときに、デイジーの花を持って現れた一人の男がいた。彼女は幻と思っていた存在がついに目の前に現れたと思ったが、彼はすぐ近くにあるマフィアの巣窟を見張るために、表で商売している彼女の存在を利用することを思いついた刑事(イ・ソンジェ)だった。刑事は何度も絵を描いてもらう間に彼女のことが好きになり始め、やがて二人は恋に落ちる。それが勘違いの恋とは知らずに…。
それを見守っていた一人の暗殺者(チョン・ウソン)がいた。彼はいつも街角にあるビルの上から彼女のことを見守り、そして彼女を影から支え続けていた彼女が待ち望む本当の幻の男だった。彼が現れたことで一度は身を引こうとした暗殺者だったが、刑事が見張りをしていたマフィアのアジトの前で銃撃戦が繰り広げられ彼女は負傷してしまう。そして彼は…。
設定自体は面白かったのですが、物語の中盤から眠気を誘うような展開になるのです(おいおい)。
暗殺者としてスナイパーを演じるチョン・ウソンさんはかっこいいのですが、彼女を見守っているときの姿はほとんどストーカー状態で、さらに彼女と接するときの彼の対応はまるで電車男状態なのです(チョン・ウソンさんのファンの人に怒られるぞ!)。
そんな風に映画を観ると、多国籍な言語で展開されるこの物語で、彼女が負傷したために言葉が話せなくなる展開にはチョン・ジヒョンさんが韓国語以外で演技ができなかったせいじゃないのか?と深読みしてしまうのです(チョン・ジヒョンさんのファンも敵に回したかもしれないぞ!!)。
生ぬるい男たち、全編海外ロケ、絵画というアイテムがそろってしまう映画な展開でaliasが思い出してしまったのは、高級感あふれつつも退屈な映画だった江國香織さんと辻仁成さん原作の“情熱と冷静のあいだ”でした(冷静と情熱の間はやっぱり生ぬるいのです)。
海外ロケで監督も浮ついてしまったのかな?彼はアクションシーンやシリアスな展開にはこの映画中でも目を見張るものがあったのですが、恋の物語の演出はうまくないようです(たぶんアンドリュー・ラウ監督のファンまで敵に回したぞ!!!)。
とりあえず、チョン・ジヒョンさんの笑顔が美しかったことだけ印象に残ったaliasなのでした。
デイジー
