そんな驚きのオープニングから始まった映画でした(おいおい)。
有名な作品ですが、aliasはこの映画を観るのは初めてだったのです。
なので、ジブリの“もののけ姫”が登場するまで、興行収入の記録を持っていたほど人気だった当時を知っている友人に、話を聞いてみました。
最初から厳しい南極で生き残った二匹の犬の物語である事は分かっているのに、CMでタロとジロが走ってくるシーンに合わせ“ヴァンゲリス”さんのあの美しい名曲が流れているのを繰り返し見ていると、だんだんクラスの中でも話題になり始め映画に行きたくなったそうです。
まだその頃は今のような座席指定はなく、立ち見でいっぱいになった映画館の中で見たそうです。
ずいぶん前に観た映画なのでストーリーまでは覚えていなかったそうですが、生命の危機に瀕している犬達が危険を回避するごとにアレンジを変えたバージョンであの名曲が流れだし、そのたびに何度も目に涙を溜めてしまい、物語の結末のタロとジロが隊員達と再会するシーンでCMで流れていたのと同じ曲が流れだした時には涙が止まらなくなってしまい、いまだにこの曲を聴くたびに涙あふれそうになるそうです。
と、聞いていたのですが、初めて見たaliasは、ずいぶん地味に展開される映画だな〜って印象でした。当時はまだ南極が未開の地だったから、ドキュメント形式で厳しい気候や観測所の隊員達の生活などを紹介するように画いていたせいかもしれないのですね。このドキュメント的な物語の展開は面白かったのですが、この地味で二時間半近くもある物語を、当時の子供達が熱中して観ていたことに驚きました(昔の子供達は辛抱強かったのかな?)
で、このディズニーでリメイクされたこの作品には、なぜか?タロとジロは出てこないのです。
なぜなら、この映画の出演者には日本人が一人もいないから、犬の名前がアジア系の名前じゃ不自然ですからね。でも、今回オリジナル版に関わっていた人が製作総指揮の一人に名を連ねていたので、犬を育てたブリーダーが日本人だったという設定にすることも出来たのかもしれませんが、あのディズニーはたぶん許さなかったと思われます(おいおい)。
さらに、ディズニー側は残された犬達が全員生き残るプロットにしたかったようなのですが、それでは南極物語ではなくなってしまう!というフジテレビ側の意見で、ライブドアの時と同じように拒否をされたそうです(おいおい)
物語は、昭和の時代ではなく現在として画かれる。主人公は南極でガイドをなりわいとしている男。冬が近づき雪で閉ざされる前に訪れてきた学者と一緒に、犬ぞりで隕石を探しにいく。そこでいきなりの天候不順のために非難することになったが、定員いっぱいだった飛行機には犬を乗せることが出来ず、そのまま飛びだってしまう。冬が到来してしまい南極には戻れなくなってしまい、そして…
感動ものや泣ける物語というイメージがありますが、冒険映画としても十分成立する映画です。
この物語には、8匹のシベリアンハスキーが出てくるのですが(オリジナルは15匹の樺太犬です)、同じ犬種だけになってしまっているし、ディズニーお得意の動物がしゃべるシーンも無いので、冒頭では犬たちを一塊の集団として認識してしまうのです。しかし物語が進むにつれて犬たちの心理描写画かれ、8匹すべてのキャラクターが明確化していくところがすごいのです。
オリジナル版では残してきた犬たちを心配する男達の心理描写で映画を作っていましたが、こちらは極寒の地で助け合う犬の演技をメインにして物語は進んでいくのです。
この物語の演出方法なら、ディズニー側の全部の犬を生き残らせたかったという主張が十分理解できました。でも、それではありきたりな物語になってしまう可能性も出てきますし、現実の厳しさを子供達に教えるという意味では、フジテレビ側が主張したこの展開の方が良かったのかもしれません。
南極物語

とりあえず、友人の意見は
「ヴァンゲリスさんのあの名曲が流れないのなら、南極物語じゃない!」
だそうです。
南極物語
