2010年01月02日

岡田斗司夫のひとり夜話 第4回レポート その03

 ということで、人生に役立つ岡田斗司夫式ノート術なのです。



【ノート術】


●ノートの歴史

 最初はスケジュール帳をメモとして使っていた。やがてシステム手帳にハマってかなり書き込んでいたが、まじめに書くのが面倒になって止めた。ガイナックスにいた時は自分の話を人に聞いてもらって考えを整理していたが、退社してからは話す人もいないのでカウンセリング代わりにB5ノートに何でも書いた。今は毎日2ページなんでも書く。ノート右側に考えや論理、左は図解やダジャレ、フレーズなどの面白いことを書く。


●他のノートと違うところ。

 レバレッジの人は働く時間をいかに効率化するかと説き、一年の半分以上をハワイで過ごすことを公言している。でも、そういった人は効率についての本やノート術を書いても、なぜハワイが楽しいか?何をして楽しんでいるのか?のことは書かない。作家としてはそういったことを書きたくなるはずなので、きっとハワイが楽しくないんだと思う。だからお金を稼げることより面白いことのほうが上。

自己実現型のダイヤモンド社はいつも年収2千万を目指す特集などでノート術を公開しているが、取材に来たダイヤモンド社の人はだれも2千万を稼いでいない。つまり成功論ではだめで、人間は失敗からこそ学べる。


 頭脳は農業だからじっくりと出会いや経験、読書により良い土壌を作る。アイデアは作物だから、良い環境だと良い作物ができる確率が上がる。工業のように効率よくアウトプットしようとすると、土地がやせ細り作物も枯れ果ててしまう。


●ノートによる変化

@やりたいことだけできるようになった。
やりたくないことを回避できるようになった。。

A悩まない。
頭の中で同じ事を何回も考えることを止めて気が楽になった。
脳中で思考するのはジャグリングと同じで、頭の程度の差によりジャグリングをする本数は増えるが、同じ事ばかりを考え続けると悪い方向に向かう。だから頭で考えずにジャグリングのボールを机の上に置いてじっくり考える。

Bストレスがない。
ノートに書いたことは、責任をノートの押し付けてしまうことで気が楽になった。

C人前で話せる。
考えがまとまっているから筋道を立てて話すことができるようになった。

Dケンカしない。
考えがまとまり、必要のないケンカをすることが無くなくなった。

Eいつも楽しく退屈しない。
自分の考えていることが楽しくなった。

F文章が書けるようになる。
昔は話していることを文章に起こしてもらってからチェックしていたが、毎日ノートで繰り返しているので文章が上達した。

Gアイデアに不自由しなくなった。
アイデアに困ってもアイデアが出しやすくなった。

H面白いと言われるようになった。
人に伝える能力がアップし、ノートでいつもそんなことを考えるようになった。

Iアプローチが自由自在
上下左右あらゆる方向から攻略する方法を三段構えまで考えられるようになった。それでも無理だったら、諦める方法を新ためて考える。



●段階別ノート練習方法。

○第一段階 
最初はアウトプットの基礎として、小さなノートに日記を1行でも書くクセをつける。

・助走
一日3〜4行程度の日記を1週間分書く。
その日あったことを具体的な名詞と動詞で書く(アニメ夜話を見たなど)。
できれば感想やイメージまで書いたほうが良いが、大事なことはうそを書かないこと。
さかのぼって日記を書くのはOKなので、とりあえずノートを埋めることからはじめる。


・離陸
助走と基本的に変わらないが、違うところは自分で採点すること。
5段階評価ぐらいで、楽しさ、やりがい、評価などで採点する。
大事なことはマイナスの点数を書かない、最低でも0点。会社をリストラされても0点。
これを続けていると評価の低いことは自然に止める。ムダを理解してやめるレコーディングダイエットと同じ。悩むなら無理に止める必要もなく、いずれ自ら勝手に止めてしまう。


○第二段階
ノートを使って毎日2ページ書く。毎日の出来事と採点は必要なく、論理の基礎である考える事や連想したり話を広げるクセをつける。大事なことはスケジュール帳とノートを一緒にしないこと(時間に夢を追い立てられてしまうから)。

・上昇
基本はノート右側に“論理”、左側に“面白”を書く。

右側の論理部の書き方は下・上・水平方向の3段階に分けて考える。自分の気になったことなどを論理的に解析してみる。まず下部構造で家の基礎を作り、上部構造で建物を立てて、水平方向で隣の家を見る。

@下部構造 なぜ?→なぜ?→なぜ気になる?
三段階掘り下げて考え、最後になぜ気になるのかを自分に問いかけることで、冷たい論理でなく血が通う論理となる

(例:紅白の小林幸子の衣装が気になる→なぜあんなに大きいのだろ?→なぜあんなにお金をかけるんだろ?→なぜ、自分は小林幸子の衣装のことが気になるんだろ?)。

A上部構造 ということは?→ということは?→どうする?
3段階で推理と予測、発想を進めて、最後に自分がどうするのか問いかけることで、自分の意見になる。

(例:ということは来年はメガ幸子からギガ幸子?→ということは再来年はテラ幸子?→会場で見てみたいけど大きくなりすぎて倒れてきたら危険だから自分は見に行かない)

B水平構造 
前にもあったり、他に同じ様なことがなかったか考えてみる。

(例:やっぱりあの衣装はどこから見てもラスボス)

※ここに書いてある例:は不適切なものかもしれません。


左側の面白は遊びの部分。
具体的な体験や失敗談、的確なたとえ話、要するにと抽象化してみる、無茶なダジャレやギャグ、無理やりイラストにしてみる。
上記を意識しながら、他人事として無責任に書いてみる。


・巡航
思いつきやアイデアを仮説から意見にする。
この頃になるとノートを人に見せられるようなものやプレゼンテーションできるぐらいのものになってくる。書いていることが地下茎や鉄道網のようにリンクし始め、同じものを見ていても自分だけの意見や自分だけのアイデアを思いつくようになる。これで初めて見識というものが生まれる。

見識とは知識+人格+教養

知識とは、本やネットで流れている情報を自分用に取り込んだもの。
人格とは、物事を見るためのスタンス、解釈するためのスタンス。
教養とは、アカデミックで権威的であるもの。史観や理論が時間・空間・自分史としてバランスの取れた知識。
見識とは、教養に立場(責任と権力)と判断(主体性)を加えたものである。

見識や意見、仮説が多く生まれてくると、徐々にそれら同士がリンクし始める。



○第三段階
他人に対してアウトプットしてしてみる。

・再加速
ノートを見せて人に話してみる。もしくはブログに書いてみる。
ブログとノートの差は表現の場であること、人に面白いことを話すようにブログにも面白いこと以外は書いてはいけない。



●3つのネット。

 なぜノート術が必要なのか?

・社会ネット:具体的な人とのつながりで、仕事、家族、友人、恋人や、作家、ミュージシャンスポーツ選手へのファン活動など、昔は物理的接触活動しかなかった。そのため仮想空間にいる電脳ネットの人たちにコンプレックスがあり、現実を見ろと諭そうとする。

・電脳ネット:ブログやmixi、Twitter、2ちゃんねるなど、新しい人間の関係が生まれだしているが、リア充などと、社会ネットに対してコンプレックスを抱いている。

現在、社会ネットと電脳ネットは互いにコンプレックスを抱いているが、5年もしないうちにこの両者は統合化される可能性が高い。いまはTwitterをしている事などが自分の特徴であっても、二つが統合された中では特徴のない普通の人になってしまうので、脳内ネットでそれに対等に対峙できるだけの自分を作らないといけない。

・脳内ネット:ノートを続けていると、脳内が臨界量に達し、教養や見識がハイパーリンク化している状態になる。社会ネットと電脳ネットに対抗できる深度を作る。
ノートは書くことで忘れていくが、化石になった燃料と同じように地層に残っている。

自分はここにしかいないし、自分探しはノート中でしかできない。だから、ノートは観察可能な自分である。


●段階別ノート練習方法の続き

アウトプット未来編。

・軌道到達
Yahoo!で検索10万件で、世間での注目と評価の臨界量が超える目安
ハブとして生きるために、注目と評価という資本を他社に投資する(自分からでる意見が他人に対して影響を与え、評価され始める)。


・月面到達
自分のやっていることを人に教える。
師匠として人に教えることで自分もより深く学べる。


これが自分の資産であり、生きた証。
全てはノートから始まる。
ノートは生きた証であり、本当の資産。


【感想】

 今回、岡田さんは自分のノートを手本として見せながら説明していたのですが、1982年の日記には王立宇宙軍の製作発表時、坂本龍一さんに軍服を着せようと思ったが断られたことや、庵野秀明さんの給料体系などいろいろなこぼれ話がありました。でも、これに関してはイベントに来た人だけのお楽しみなのです。


 ノート術に関しては分かりやすくて面白い!というのがaliasの最初の印象。下・上・水平方向の論理的思考方法は漠然と知っていても具体的には分かっていなかったのです。普通の人は短絡的になりやすく、水平に歴史的・客観的視点しかできなかったり、上下どちらかの方向に偏ってしまう場合が多いので、岡田さんの説明は相変わらず分かりやすい。さらに、第一段階ではとりあえず書くクセをつけるところから、不のスパイラルに陥らない様にマイナス評価を付けない事まで配慮までされてるし。

巡航より先の段階はまだaliasが進んでいない世界なので、何とも言えませんが、現状ではこれでうまくいくと言っている岡田師匠を信じるしかないところ。その岡田さんも1997年ぐらいのアニメ夜話で司会をしていたときには、ガチガチに固まってうまく話せていなかったり、番組を仕切れていなかった印象があったので、人前で話せるようになるとか、アプローチが自由自在になるというのは実証されてるかな。

それに、芸人は基本的には理屈民族であるからネタ帳をつけているし、しっかりした基盤のうえに無茶な論理を重ねるから面白くなるという話にも合致しますからね〜。


 社会ネットと電脳ネットに対抗できるだけの深度を作る話は、地元では神童と呼ばれていた子供が都会の進学校に行くと中の下になってしまう場合があるように、オタクであることが特徴の人間が、オタクの中に入ってしまうとオタクキャラが喪失してしまうこと。その世間に対抗する自分を作り出さないといけないのですが、今までaliasは全てのものは音楽やアニメのようにオリジナルはなく全て過去から引用されていること、その引用するセンスや判断、組み合わせ方によりその人間の独自性が出てくると思っていたのです。きっとこの辺が見識の部分と関わってくるはずなんですが…。



 ここから先はもう少し先に進めてみないと…、と思っているaliasなのでした。



ひとり夜話 第4回レポート その01 その02 その03

ひとり夜話 第3回レポート その01 その02 その03 その04 宿題

【おまけ】

 質疑応答の中で、以前岡田さんがTwitterの中で「勉強する効率を上げるには、師匠を探し盲信的に信じる姿勢がもっとも効率の良い勉強方法」のような発言をしていたことに対して、師匠選びの判断が出来なかったり、師匠を間違ってしまったり、信じすぎて自己を確立できないのではないか?といった趣旨の質問がありました。

それに対しては、知らないことを教えてくる師匠を選ぶのだから、自分で判断できると思うのが間違い。直感や憧れで選ぶものだから運。疑いながら半信半疑で学ぶより、師匠の言うことを全面的に信じたほうが学びの効率がいい。人間は自己を無くすほど人を信じ切れないし、いつかは卒業するか、破門になる。だから師匠を作る勉強法はOKだそうです(ちなみに次回から岡田師匠と呼んでもOKだそうです)。
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
楽しいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
Posted by 出会いから学ぶ at 2010年01月05日 15:39
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