2006年01月05日

パッチギ!

 パッチギとはいわゆる頭突きの事で(大阪では“ワレ、パチキをかますぞ!”とも言うのです)、格闘技でもけっこう禁止している団体が多いほど、危険な技です(一撃必殺なのです)。

井筒和幸さんは“ガキ帝国”の頃から変わらず、生々しいっていうか、泥臭いケンカのシーンを撮りますね〜。こんなアクションシーンはハリウッド映画には見当たらないし、アジアのカンフー系にもないし、日本でもこんなのを撮ることができるのは、井筒監督か、長淵剛さんぐらいしかいないんじゃないかな?無形文化財として国で保護して欲しいものです(それとも有形?)。


 物語は1968年の在日朝鮮人と日本人との深い溝がテーマになっています。当時の学生運動やフォークなどを含め、その時代を生きてきた監督の目線で画いているのですが、古い映画でも見てるんじゃないか?と思わせるほど、出てくる街並みが見事に昭和の時代になっています。最近では“ALWAYS 三丁目の夕日”が東京全体をほとんどCGだけで作り上げていましたが、井筒監督はどうしていたんでしょう?そんな話は調べても出てこなかったので、いまだに昭和なところを探し出しロケをしたのかもしれません。

探してきたと言えば、出てくる登場人物が西暦2000年代の顔をした人が全然いませんでした。これもその時代に合わせた役者をCGで画いたんじゃないのか?と思わせるほどです。ちゃんと言う事を聞く無名の新人役者ばかりを使った理由が、そのへんにあるのかもしれませんね(沢尻エリカさんはかわいいけど、気が強そうです)。

そして物語は、けんかや恋愛を通して、互いの文化の違いを乗り越えようとするのですが、どうしても超えられない民族の壁があるのです。そして主人公は…。

2005年は国交を正常化した40年目にあたるので“日韓友情年”だったそうですが、広報大使のチェ・ジウさんが式典には一度も出席しないような表向きの体裁を整えるより、こんな歴史があり両民族はいがみ合っていた過去を、ちゃんと認識させた方が、よほど有効だったと思います。


 監督が実体験を通して生きてきた時代を振り返るような作品だったので、メッセージ性が強く出ている映画だったのですが、あの目まぐるしい変化をしてきた時代に青春時代を過ごした人間として残しておきたいものや、伝えたいものがあったからかもしれません。

こんなことをいうと説教くさい映画なのか?と思われるかもしれませんが、ラストに向けて複数のエピソードが怒涛のようになだれ込んでくる展開には、圧倒されました。


こんな作品を撮れるなら、他人の映画をボロクソに言っても、かまへんわ!



パッチギ ! スタンダード・エディション
パッチギ ! スタンダード・エディション

この記事へのコメント
aliasさん、こんにちは^^

ここのところの日本の映画賞を総ナメの映画ですが、よく出来た映画でしたね!
井筒監督、よくやったと劇場で観た後、心の中で叫んでいました。
つい最近封印されていたフォークルの『イムジン河』TVフィルムを観ました〜♪
Posted by cyaz at 2006年02月28日 12:52
cyazさん、コメントありがとうございました。

aliasは井筒監督の作品に共通している、
そう簡単にハッピーエンドにはせいへんで!というところが好きなのです。

“イムジン河”やフォーク世代の事は知らなかったのですが、
この映画を通して、当時の時代背景が伝わってきたような気がしました。

ほんま、こんな作品を撮れる監督なら、他人の映画をボロクソに言っても、かまへんわ!(おいおい)
Posted by alias at 2006年02月28日 20:30
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