ペ・ヨンジュンさんが演じる主人公は、冒頭で、妻が接触事故を起こしたことを電話で知るのです。病院に駆けつけると、対向車と正面衝突して相手の車に乗っていた人は亡くなり、妻も意識不明の重体であることを知るのです。その病院には妻と一緒に車に乗っていた男性も運び込まれ、同じく意識不明になってしまった男性の妻もいたのです。
そして車に残されたものを相手の妻と一緒に分別していると、意識不明の二人は不倫をしていたという事実に気付くのです。気まずい二人なのですが、でも、
二人とも、同じ病院だから毎日に顔を合わさなければならない
二人とも、同じマンションに住み同じ生活圏にいるので、近所で顔を合わせることを避けられない。
二人とも、どちらが運転していたかわからないから、相手を責められない
二人とも、意識不明なので事実を聞くこともできないし、問い詰めることもできない。
二人とも、亡くなってしまった相手の家族から罵られるのですが、言い返すことはできない。
そんな二人には慰めてくれる人もいないので、傷をなめあうように寄り添いあうようになっていくのです。そして彼女は「不倫しましょう!」と酒に酔った勢いで言ってしまうのです(ずるい設定だ!)。
そう!、ヨン様に不倫と言う役柄を演じさせるためには、これだけの設定が必要だったのです。
そしてお互いが恋のようなものを感じたとき、自分が一番責めたいと思っている人と、同じ事をしていることに気付くのです。そして病院にいる二人の病状にも変化が…。
韓国映画のイメージって大事な場面を強調する傾向にあるのですが(それも、しつこいくらい)、
でもこの映画は淡々と日常を画きながら進んでいくので、年齢、性別、観た時の心理状態などで受け止め方が変わる作品だと思います。
この監督うまいよな〜って印象でしたが、口コミによって広げるには面白さを説明しにくい作品だったので、あまりヒットしなかったのかもしれません。
でもこの作品でソン・イェジンは、あのヨン様と競演した女優ということで日本での知名度も上がり、結果“私の頭の中の消しゴム”をヒットさせるきっかけとなった
四月の雪 (通常版)
